【作家インタビュー】vol.22 刺しゅう作家 ayaさん

【作家インタビュー】vol.22 刺しゅう作家 ayaさん

【作家インタビュー】

 

|

 

2021.07.01

vol.22 刺しゅう作家 ayaさん

CRAFTINGをご覧いただいている皆様、こんにちは。



今週は、Sunny Thread 15色で描く 草花と動物の庭」

ご紹介してくださった、刺しゅう作家 ayaさんの

第一回目のインタビューです。



Sunny thread誕生のお話しにもつながりますが

オーガニックコットンに興味を持ったきっかけからお伺いしました。













「今ないのであればつくりたい」という思いから

「刺しゅうの創作活動を続ける傍ら、様々なお仕事に携わる中、

オーガニックコットンのタオルや洋服を扱う仕事をする機会に恵まれました。


日々触れるオーガニックコットンのその温かくふわふわの肌触りに魅了される一方、

効率が優先される大量生産のコットンが作られる背景には

土壌汚染、農薬の被害など深刻な問題があることを学びの中で知っていきました。

 

生活に欠かせない綿製品ですが、オーガニックコットンで作られているものは

市場の一部でまだまだ少なく、刺しゅうの大切な材料である刺しゅう糸も

またオーガニックコットンで出来ているというものは当時見つけることができませんでした。


そしてないのであれば、作りたいと思ったのがSunny thread誕生のきっかけです。







何より自身の制作に使いたいというのが最初のきっかけでしたが、

せっかく作るのであれば共感してもらえて、人にも楽しんでもらえたり


またこの刺しゅう糸をきっかけにオーガニックコットンに

興味を持ってもらえたりしたら素敵だなという思いで

製品として作っていくことを目指しました。


構想から少しずつ物づくりは始まり、様々な人の協力を経て

最初の15色が出来たのは2016年のことでした」

 














笑顔の行方が一方通行ではない形に魅力を感じて

「お日様の下、健やかに育ったふわふわのオーガニックコットンは

人肌に添うようなやさしさがあり、何とも言えない心地よさ。


使う側のメリットを見ただけでも充分に魅力のあるものですが、


それだけでなく、使う側がそれを選ぶことが作る側の生活やその土地の健康にも繋がっていきます。

この笑顔の行方が一方通行でない形もまたオーガニックコットンの大きな魅力と思っています

 

Sunny threadは“ボタニカルダイ”で染められています。

botanical=植物 dye=染料という意味になりますが、


金属を媒染剤として用いる従来の草木染とは異なる新しい技術です。


媒染剤がなくても植物の色が繊維に染まるよう作られた糊と

微量の化学染料を組み込むことで生まれた耐色性と良い発色を兼ね揃えた植物染料なんです」




















記憶の中にある愛おしい色たちがインスピレーションの源

「従来の草木染の色合いとは違う植物の持つ瑞々しい色彩や化学染料の染め上がりとも異なる

独特の奥行きのある色合いも特徴の一つです。

 

毎日の暮らしはたくさんの色に囲まれています。


ふと見上げた空の色、春に一斉に芽吹く緑、毎朝元気をくれる

フルーツの色、いつか訪れた街の景色…。




そんな日々の記憶の中にある愛おしい色たちをインスピレーションとして、

フワフワの白い糸を染めSunny threadは生まれました。


こうやって出来上がったそれぞれの糸の色が、その糸を手にしてくれた

人の日常へまた新たな彩りを届けて…、と素敵な連鎖になることを願っています」




いつもCRAFTINGマガジンはお写真の下にテキストを添えさせていただくのですが

今回はオーガニックコットンの優しさや自然の色合いを


そのまま皆さんの心の中で静かに感じていただきたくて

お写真だけとさせていただきました。



普段は何気なく目にしている暮らしのなかの色に思いを馳せる。


コロナ禍の緊張感が続くなかではありますが

ayaさんのステキなメッセージとともに

そんなやわらかいひと時にしていただけたらと願っています。


今週のCRAFTINGマガジンはこちらでおしまいです。


今日から7月になりましたね。

ステキな夏の時間を、ハンドメイドとともにお過ごしください。











<作家profile>刺しゅう作家 aya 元田綾子さん

1983年東京生まれ。ESMOD JAPON 東京校卒業。

アパレルデザイナーとして勤務の後、パリにてオートクチュール刺しゅうの基礎を学ぶ。

2009年『日々の装いに添える小さな手仕事』をコンセプトに刺しゅう作品制作をスタート。

2016年オーガニックコットンのオリジナル刺しゅう糸を商品化するための

Sunny Thread Projectスタート。


2020年「わたしのための心地いいもの」をコンセプトに

サステイナブルな素材で作るインナーウェアラインをスタート。

https://www.chez-aya.com/

https://www.instagram.com/chez_aya/


古い投稿 新しい投稿