Kanae Entaniさんのやさしい刺繍レッスンでお世話になりました
Kanae Entaniさんのインタビュー記事になります。
刺しゅう作家さんになられたきっかけから、
キット作品に込められた思い、皆様へのメッセージを
お伺いしました。
早速取材をはじめます。
刺しゅう作家になったきっかけを教えてください。
イギリスの大学でテキスタイルを学びました。2年働いた後に帰国して、
就職活動をする前に、何かこれまでの作品制作の記念になることが出来たら、
とセレ クトショップで展示をさせていただいた際に、
思っていたよりも沢山の方にご 覧頂けて、そこからご縁が繋がり、
少しずつお仕事を頂けるようになり、いつの間にか作家になっていました。
19歳で渡英し、イギリスの美術大学で学び、アシスタントも経験されたKanaeさん。
一番印象的なエピソードはありますか?
イギリスの人は本当によく紅茶を飲みます。制作の時も、先生との面談の時 も、
アシスタント時代も、思い出の中で、皆いつもマグカップを手にしていた気がします。
自分のお茶を淹れる時はみんな、あなたも飲む?と聞いてくれる ので、
それがマナーなのかな?と私もせっせとお茶を入れていました。
▲Kanaeさんオリジナルマグカップ。プクっとしたイラストがのっている。
今までで思い出深い刺しゅうのお仕事を教えてください。
Eテレの『すてきにハンドメイド』という番組のために、刺しゅうでアニメーションの
動画を 作ったことがありました。少しずつ刺しゅうを進めていって、
最後に映像になったときは、自 分一人では絶対出来なかったので嬉しかったです。
お子さんが生まれてから、作風に変化はありましたか?
以前は旅からインスピレーションを受けることが多かったのですが、
今は子供との生活から図案のアイディアが浮かぶことが多くなりました。
どちらも新し い経験をするという意味では近いのかもしれないと今は思っています。
行動範囲が狭くなったので、自分の世界も狭くなるのかなと思ったのですが、
今は子供が興味を持ったことに自分も興味を持つようになり、
以前より視野が広がっ たような気もしています。
人生で初めて作った作品は、どんなアイテムでいらっしゃいましたか?
小さな子供用の編み物の機械を買ってもらって、父に作ったマフラー。
白と蛍 光オレンジで派手だったけど、仕事に行くときに巻いていってくれました。
刺しゅうのデザインについてお聞かせください。
どのように刺しゅう図案を考えていますか?意識していることは何でしょうか?
まずどんな作品を作りたいか、形を考えてから図案を考えています。
特に意識しているのは、素材選びと、刺しゅう糸の色の組み合わせです。
刺しゅうという古くからある伝統的な手法を使ってますが、素材や
刺しゅう糸の色次第で作品の雰囲気が現代的に変わってくると思っています。
▲Kanaeさんの“今”が詰まった作品と個展の様子。ねこの耳のグラデーションがきれいでした。
初心者さんが刺しゅうをするうえで、コツはありますか。
ゆっくり進めていくこと、布に針を刺したら、優しく糸を引くこと。
花びらの先 など、丸みのある図案の場合は特に、強く引くと
カクカクしてしまうことがあ るので、ゆっくり優しく、を
心がけてみてください。
愛用の手芸道具を教えてください。
自分の手描きのイラストを箔押しにしてもらって制作した、お道具箱です。
刺しゅう糸の収納や、お道具の収納用に、使うたびに嬉しい気持ちになるような
箱があったらいいなと思って作りました。
Kanaeさんのおすすめのスイーツやカフェを教えてください。
三軒茶屋のNicolasというカフェが好きです。コーヒーもケーキもとても美味しくて、
特 にガトーショコラが好きです。ひとりで行く事が多いので、
そういう人が多いカフェに 行っています。
今後作ってみたい作品や挑戦してみたいお仕事はありますか。
また刺しゅうのアニメーションが作ってみたいと思っています。
音楽に合わせて自分の刺しゅうが動いたりしたら素敵だなと思います。
あとは、映画が大好きなので、映画のために作品が作れたら幸せです。
今回のキットのテーマを教えてください。
特にこれ!というテーマはないのですが、おうちにあったら優しい気持ちになれる作品が
いいなと思って、試行錯誤してそれぞれ3回くらい試作を作りまし た。
普段は白い作品が多いですが、フラップポーチと巾着が淡い色だったので、
ねこのオブジェは少しシックなグレーにして、可愛すぎないように意識してみました。
ご購入されるお客様へのメッセージをお願い致します。
刺しゅうのキットをご購入くださりありがとうございます。
針を動かし、糸を運んで、ゆっくり流れる時間を、楽しんでいただけたら嬉しいです。
うまくいかない時は、一生懸命糸を引きすぎていないか、思い通りにしようと
焦っていないか、確認してみてください。力を抜いて刺すことに慣れると、
不思議とリラックスして、うまく刺しゅうができるようになります。
たくさんの質問に優しく丁寧に答えてくださったKanae Entaniさん。
気持ちがほぐれるようなあたたかなメッセージをありがとうございました。
今週のCRAFTINGマガジンはこちらでおしまいです。
冬らしい寒さとなってきました。あたたかなお部屋でどうか楽しいハンドメイドの時間をお過ごしください。