【作家インタビュー】vol.29 MOONSOAP代表 滝井みおぎさん

【作家インタビュー】vol.29 MOONSOAP代表 滝井みおぎさん
【作家インタビュー】vol.29 MOONSOAP代表 滝井みおぎさん

作家インタビュー vol.292021.08.26

MOONSOAP 代表 滝井みおぎさん

CRAFTINGをご覧いただいている皆様、こんにちは。

今週は、「天然精油とソイワックスでつくる アロマキャンドルレッスン」の
指導と材料提供をしていただいた、MOONSOAP代表 滝井みおぎさんの
第三回目(最終回)の取材となります。

今回CRAFTINGのアロマキャンドルレッスンに使用されている
「ソイワックス」、「天然精油」とはどのようなものなのか、
特徴からお伺いしました。

お子様やペットがいるお部屋でも安心して使える素材

「ソイワックスは大豆から抽出したロウです。

透明なパラフィンワックスと比べて、乳白色で少し食べ物の香りがするのが特徴です。

燃やした時に空気中に漂うのが石油由来の燃焼物質ではないので、
お子様やペットがいるお部屋でも安心です。

ただ、どんなものでも燃焼すると微量に一酸化炭素は発生するので
キャンドルを灯すときは換気をしてください。

またソイワックスは生物分解性が高いことから、
環境にやさしいキャンドルとされています。

天然精油は、植物から抽出されたエッセンスです」

今回のレッスンに使用する、3種類のアロマはどのようにセレクトされたのでしょうか?

「ドーシャ」と呼ばれる、3タイプの体質にあわせたブレンドに

「アーユルヴェーダでは人の体質を『ドーシャ』と呼ばれるエネルギーのバランスから考えます。

『ドーシャ』には『風=ヴァータ』「火=ピッタ』『水=カファ』という
3つのタイプがあり、どれが多いかによって体質がわかります。

今回のアロマキャンドルのキットに入れる精油については、
アーユルヴェーダセラピストの池田早紀さんと言葉やイメージをやり取りしながら、
各ドーシャに合わせたブレンドを、時間をかけて作り上げました。

ヴァータは、緊張を和らげ、リラックスする香り。
ピッタは、イライラを鎮め、クールダウンする香り。
カファは、心身を温め、活力を与える香り。

となっています」

アロマキャンドル以外の天然精油の使い方で、おすすめがあれば教えていただけますか?

香りを嗅ぐ、聞く、マッサージオイル作りも有効

「天然精油は、ただ香りを嗅ぐ、聞く(心の中でその香りをゆっくり味わう)だけでも
頭をすっきりさせたり、呼吸を深くしたりしてくれます。

あとは、ゴマオイルに何滴か垂らしてオリジナルのマッサージオイルを作ってもいいと思います。

その場合は、カファの精油は少し肌刺激があるので、100mlに対して、数滴にしてください。
ヴァータとピッタの精油は最大で1%の濃度(約20滴)を配合しても大丈夫です」

アロマキャンドルのおすすめの使い方についてもお伺いしました。

早朝、就寝時、リラックスタイム、家族との団欒の際にも

「おすすめの使い方はたくさんありますが、シーンごとに3つご紹介します。

早朝のまだ眠気がとれないときに

キャンドルは夜更けのくつろぎのイメージがありますが、1日のスタートにも有効です。

なかなか眠くて始められない朝に、キッチンに立って、
マッチをシュッとすってキャンドルに火を灯してみてください。

本物の炎を見ると、しっかりと取り扱わなければいけないという
本能的な緊張感に触れ、朝寝起きで少しぼーっとした頭が目覚めます。

寝室で、眠る前のキャンドル瞑想やリラックスに / バスルームに / 曇りの日、雨の日などおうちで過ごすときに

キャンドルの炎のゆらゆら揺れる炎は、自然界のリズムで
心臓の鼓動や小鳥のさえずり、木の葉が落ちる様子などと同じです。

この揺らぎを見ることで、落ち着きや心地よさを感じたりすることができます。

キャンドルを灯して、ゆったりと仕事や読書をしたり
眠れない夜もキャンドルの炎を少し眺めると、心がやすらぎます。

バスルームや曇りや雨の日にご自宅で過ごすひとときにもおすすめです。

家族や友達との団欒に

灯は、火という野性のエネルギーです。

人類有史以来、私たちは、火を用い、
時にコントロールできないこともありながら、生活を豊かにしてきました。

キャンプファイヤーやかまど、暖炉や焚火。

火が燃えているとほっと落ち着くのは、暖を得るとともに、
火の神秘に思いを馳せるうち、直観力が研ぎ澄まされ、活力が湧くからではないでしょうか。

また、私たちには子どもから老人まで火を囲み、苦楽を分かち合ってきた歴史があります。

家族、友人との団欒の場にもアロマキャンドルは自然と心地よく馴染むのです。

ほかにも、お部屋の浄化にもいいんですよ。

火を灯すことで、空気中の不純物が燃焼して、汚れた空気を浄化し
消臭効果もあると言われています。

パラフィンワックスに比べて、ソイワックスを使ったキャンドルは
人工的な臭いがなく、煤(すす)や煙が出にくいので安心です。」

どんな方に今回のキットをおすすめしたいですか。

ご自宅でのセルフケアの時間が必要な方に

「毎日忙しく感じて、心に余裕がなくなっていたり、
なかなかマッサージへ行ったり、出かけたりする
まとまったリラックスタイムが取れない方へ。

自宅でほんの少しだけセルフケアの時間が持てますように」

最後に、今回のレッスンを受講される方へのメッセージをお願いしました。

キャンドルを作るプロセスをゆっくりと楽しんでいただければ

「時間をかけてソイワックスを湯煎して、溶けるのを待ちながら
ブレンド精油をじっくり選び、ぽとりぽとりとブレンドしたら、固まるまで待つ。

そんなキャンドルを作るプロセスをゆっくりと楽しんでいただければ、とてもうれしいです」

◆作家プロフィール MOONSOAP 代表 滝井みおぎさん

薬草や植物オイルの宝庫であるタイ北部の静かな村で石けん作りをしている
女性たちとの出会いから、MOONSOAPを設立。

現在、石けんやヘアワックスはタイの工房で、ほかの商品は日本国内で、
安全なコスメをひとつひとつ手作業で仕上げています。

世界を旅して目にしたもの、日本の四季の中で暮らす日々、
そして子供を産み育てていく中での気づきが
製品開発のエッセンスとなり、MOONSOAPのアイテムは育まれています。

今週のCRAFTINGマガジンはこれでおしまいです。

夏の疲れを癒したり、秋の夜長の読書を楽しんだり
アロマキャンドルの炎の揺らぎと香りに
心の深い真ん中からリラックスできますように。

キャンドル作りのプロセスのなかにも
普段とは違う時間の流れと気持ちの豊かさがありますように。

全三回の取材を終えて、滝井さんのお話しそのものにも
癒しの効果を感じております。

滝井さん、ありがとうございました。

次週からは、糸と針で描くイラスト刺しゅうのレッスンを
ご紹介いただいている、奥見伊代さんのインタビューが始まります。

来週もぜひご覧ください。


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