作家インタビュー vol.92021.03.18
布小物作家 gauche 鈴木千晶さん
CRAFTINGをご覧いただいている皆様、こんにちは。
今回は、CRAFTINGで「色と形を楽しむ おけいこバッグ3点セット」をデザインしてくださった、gauche(ゴーシュ)鈴木千晶さんをお迎えします。
カラフルな色と柄、そしてシンプルな形を組み合わせたデザインが人気のgauche(ゴーシュ)さんに、ソーイングを始めたきっかけや色合わせのヒントなどをお伺いしました。
私たちとgauche(ゴーシュ)さんとの出会いは、とあるハンドメイドイベント。
会場に並ぶたくさんの作品たちの中でも、明るいパステルカラーの色合わせが際立つgaucheさんの作品はパッと私たちの目に飛び込んできました。
娘に作ってみたい!と思ったのをきっかけに始めた作品制作
一番上の娘さんが2~3歳くらいの時に、書店でたまたま子供服の洋裁本を見てソーイングを始めたというgaucheさん。
作品販売は13年ほど前から始めました。
「記録として作品をブログに残していたのですが、それをたまたま見てくださった子供服のお店のオーナーさんから、イベントに出ませんか?とメッセージをいただいたのがきっかけです。」
▲ 手づくり服を着て嬉しそうな末っ子ちゃん。
gauche(ゴーシュ)という屋号は、はフランス語で「不器用な、不完全な、歪んだ」などという意味。
「ハンドメイドは既製品のように完璧ではなく、同じ作品でも一つ一つ微妙に表情が違ったりして、そこに手作りの味わい深さがあると思い、ポジティブな意味合いで受け止めてこの名前にしました。」
また、「左利きの」という意味もあるようで、左利きのgaucheさんは自分にぴったりだと思い決めたそう。
自分が楽しんで製作するということを大切に
お客様から「他にはないデザイン」だと嬉しい言葉をいただけたりすることや、もう何年も作品を購入し続けてくださるお客様の存在が励みになっているというgaucheさん。
「楽しいことを共有できる作家さん達との出会いなど、自分の好きなことを通して沢山の方とのつながりが持てたこともとても嬉しい。」
▲ こだわりデザインのマルチポーチ。とろけるシロップのような曲線が面白い。
お客様にも常に新しい気持ちで色合わせの発見を楽しんでほしいので、
“どのカラーを組み合わせるか”
“この色はどのくらいの面積にしようか”など、
形やラインが綺麗に見える配置を、じっくりと時間をかけて考えます。
「もちろんデザインだけではなく、長く使える丈夫な作りも心がけています。」
▲ 自然光が入る明るい作業場で、日々新しい作品が生み出されている。
日常の中から生み出される、心惹かれる配色
幼いころから絵を描くことが大好きだったというgaucheさんは、画材屋さんで色鉛筆やコピックペンなどを買い集めたり、常に色に触れていました。
「今は布がキャンバスがわりになっているのかもしれません。」
何気ない日常の風景やアート作品、乱雑に重なった沢山の布がたまたま好みの色合わせになっていたら、そのまま採用したりして色んなところからヒントを得ています。
▲ gaucheさんの布コレクション。グラデーションを描くように、きれいに並べられている。
最初は娘さんに作ってあげたいという気持ちで始めたソーイング。
幼い頃から触れ合っていた「色」と「ソーイング」が出会い、gaucheさんらしい色彩の布小物作品が日々生み出されています。
布合わせ・配色を選ぶときのポイントは
センスの良い配色を自分で選べたら、作品のクオリティがぐっと上がりますよね。
gaucheさんは、特に色の勉強をされたわけではないそうですが、どの作品も配色のセンスが光っています。
配色のポイントを聞いてみました。
- ① 使いたいカラーを1色決める。
- ② ①に合わせて同系色で揃えたり、トーンが同じ色を合わせる。
- ③ 間に白色を足していく。
例えばくすんだピンクを使いたい場合は、同じようにグレーがかった色味を合わせてトーンを統一します。
「それだけでは全体がぼんやりしやすいので、白い生地を間に足しています。
そうすることで周りの色が明るくなって引き立ちます。
逆に、紫と黄緑など対照的な色を合わせるとメリハリが出てるので、インパクトを出したいときにおすすめです!」
gaucheさんの作品から感じる明るい印象は、白のトーンアップ効果かもしれませんね。
▲ コロンとかわいい丸底の巾着バッグ。かき氷のようにも見える。
お子さんに何か作ってあげるとき、好きなキャラクターのリクエストを受けたりしますよね。
「キャラクターものなどの柄生地を使いたいときは、その絵柄に入っている色を周りに使うとまとまって見えます!
(アンパンマンなら、赤、茶色、黄色、ベージュなど)」
生地の配分でも印象が大きく変わるので、軽い雰囲気にしたいときは一番明るい色を多めに使うと良いそう。
「派手なカラーは、差し色程度に使うと良いアクセントになります。
アクセントカラーは、生地以外でも(バッグや巾着の)紐や持ち手の色などで楽しめます。」
直線縫いのみで、子どもにもデザイン性の高いアイテムを
CRAFTINGのためにgaucheさんがデザインしてくださったソーイングキット「色と形を楽しむ おけいこバッグ3点セット」は入園入学シーズンに欠かせない、レッスンバッグ・シューズバッグ・お着替え袋をまとめて作ることができます。
「新学期を迎えるお子さんのために入園入学セットを作ってあげたい!」
そんなお母さんのために、毎日が楽しくなりそうな、ポップでかわいいソーイングキットが完成しました。
「色と形を楽しむ おけいこバッグ3点セット」
性別関係なく使っていただけるよう、サーモンオレンジ、ブルーグリーンなど市販ではあまり見ないようなカラーをチョイス。
手が込んでいるように見えるデザインですが、直線縫いだけで作れるので初心者の方でもチャレンジしやすい作りになっています。
「慣れてきたら好きな布でもぜひチャレンジして欲しい!」とgaucheさん。
▲ カラフルで楽しい布合わせ。
わくわくドキドキの新学期を迎えるお子さんたち。
元気に楽しいスタートをきれるようにCRAFTINGスタッフも応援しています!
◆作家プロフィール gauche 鈴木千晶さん
子どもに服を作ってあげたいと思い、独学で洋裁を始める。
ベビーとキッズの小物を中心に、布雑貨・子供用品・洋服を制作。
ポップな色・柄とシンプルな形を組み合わせたデザインが人気。
著書に『ベビーとキッズの布小物』(文化出版局)がある。
オンラインショップでの販売やイベントを中心に活動中。
- [ Instagram ] https://www.instagram.com/gauche_c/
写真:gauche 鈴木千晶、白井由香里