
【作家インタビュー】
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2021.04.29
vol.13 作家 fujiiikuko ふじい いくこさん
CRAFTINGをご覧いただいている皆様、こんにちは。
今週は、天然素材とオリジナルデザインで作る
タッセルレッスンをデザインしてくださった
fujiiikuko ふじい いくこさんの第一回目のインタビューです。
ふじいさんのHPやインスタを拝見すると、
ものづくり全般がお好きなのが伝わってきます。
子どもの頃からものづくりがお好きだったのか、お伺いしました。
写真:fujiiikuko ふじい いくこさん
▲「綿より糸で作る タッセル飾り」レッスンの作品
子どもの頃の夢はファッションデザイナー
「両親共に手先が器用で、幼い頃から
母が作ってくれる洋服や、父が描いてくれる絵にワクワクして
自分も真似して作ったり描いたりしていました。
思い出に残っているものづくりは、小学生の夏休みの自由工作。
父と一緒に田舎の祖父母の山で切り落とした、
竹で水筒とコップを作ったんです。
ほぼ父が作ってくれたのですが、隣で見ていて
「作れないものってないんだな」と思ったのを覚えています」
その頃から服が大好きだったので
夢はファッションデザイナーでした。
小学生のときは、一時期フェルトという素材そのものに魅了されて、
母に縫い方を教わりながら、フェルトで筆箱やお財布を作って
実際に使っていました」
それから、東京工芸大学芸術学部デザイン学科、
そして、スウェーデンのカペラゴーデン手工芸学校
テキスタイルコースを卒業されたふじいさん。
学校で学んだことで、今も大切にしていることをお伺いしました。
▲スウェーデンのカペラゴーデン手工芸学校
ひとつの考え方に固執しない、フットワークの軽いものづくり
「大学ではデザインの方法や作ったものの魅せ方、
スウェーデンの学校では材料や生活の中での
ものづくりの本質的なことを学びました。
違う角度からものづくりを学べたおかげで、
現在もひとつの技法や素材、考え方に固執しない
フットワークの軽いものづくりができていると思います」
なぜスウェーデンに行きたいと思われたのですか?
惹かれた理由についてお伺いしました。
▲テキスタイル科では、織物、プリント、染色が学べるそう
呼吸をするように、ものづくりが息づく国「スウェーデン」
スウェーデンに渡ったのは直感に近いものがあります。
特に学びたい分野はなく、大学のような場所で
ひとつのことを突き詰めて学ぶというよりは
真摯に手を動かすことと向き合える場所を国内外で探していた時に、
カペラ(カペラゴーデン手工芸学校)に通われていた方と話す機会があり、
同じ考えでスウェーデンに渡ったその方に行くべきだと言われて、
私自身ここしかないなと決めました。
住んでいて気づいたことですが、
私にとってものづくりとは呼吸するのと同じくらい
当たり前のことだったのが、
スウェーデンでは国全体がそれと同じ空気感を持っていて、
国民ひとりひとりにものづくりが根付いていました。
今思うとスウェーデンという国自体に
とても興味があったのだと思います。
▲ ふじいさんの学生さんとしての最後の作品。木、セラミック、テキスタイルを使って
学校を卒業されてすぐに作家として活動を始められたのでしょうか?
作家になられたきっかけとあわせてお伺いしました。
「楽しくて続けていたら、いつの間にか作家になっていました」
「きっかけは特にはありません。
大学在学中から作ったものを身につけている事が多く、
それを見た友人やお店の方に売ってほしいと言われて
屋号を決めて売り始めました。
そしたら楽しくて、飽き症の私が唯一続けられることだったので、
続けていたらいつの間にか、作家になっていました」
素材のもつ瑞々しい魅力を作品の魅力に
変化させるふじいさんのインタビューはまだまだ続きます。
次週もぜひお楽しみください。
▲ふじいさんのstone collection

▲石を編みくるんだオブジェ作品
<作家profile> fujiiikuko ふじい いくこ
東京工芸大学芸術学部デザイン学科 卒業後、
スウェーデンにあるカペラゴーデン手工芸学校
テキスタイルコース 修了。
手仕事によって生まれるひとつひとつの個性や
素材本来の形を尊重した作品づくりに定評がある。
分野にとらわれることなく、
「北欧、暮らしの道具店」でのアクセサリー作品販売をはじめ
バッグなどのファッション小物、アート作品など
さまざまな素材や手法に興味を持ち、
実験的に制作、発表を続けている。