【作家インタビュー】
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2021.05.06
vol.14 作家 fujiiikuko ふじい いくこさん
CRAFTINGをご覧いただいている皆様、こんにちは。
今週は、天然素材とオリジナルデザインで作る
タッセルレッスンをご紹介してくださった
fujiiikuko ふじい いくこさんの第二回目のインタビューです。
アクセサリー・タッセル・ドローイングなど
幅広く創作活動をされているふじいさん。
現在もっとも力を入れている活動についてお伺いしました。
写真:fujiiikuko ふじい いくこさん
同時進行の方が、面白いものができる気がする
「最近ではお店のウィンドウディスプレイや
店内用のアート作品などの大きなものを作らせて頂く事があり、
普段は手に収まる細々としたものを作っているので
とても新鮮でやりがいを感じます。
昔から物を入れるもの(箱・袋・バッグなど)が大好きで、
常にバッグや巾着を作って日々研究しています。
私の場合は同時に色んなものを作っている方が、
思考が分散されてそれぞれが影響し合って
面白いものができる気がするので、
同時進行で制作するようにしています」
CRAFTINGではタッセルのレッスンをご紹介いただいています。
タッセル作りに興味を持ったきっかけについてもお伺いしました。
シンプルなバッグにアクセントになるようなタッセルを
「アクセサリーの延長でシンプルなタッセルは
昔から興味を持って作っていましたが、
自分用に作っていたバッグや巾着の販売を
お店の方に提案されたことがきっかけで
シンプルなバッグにアクセントになるような
タッセルを、という思いで作り始めたんです」
ふじいさんの作るタッセルは素材が特徴的ですが
材料にロープを使うことには、どのように辿り着いたのでしょうか?
ロープは色や素材に癖がなく、どこか無骨で余白がある
「私の場合は自分の作りたい形が決まっていて、
その形を作る為にどんな材料でどんな技法で作るか考える
ところからはじまるので、既存の材料や技法に囚われることが
ほとんどありません。
タッセルで言えば、自分の収集している糸や紐を使ってたくさん作った中で、
最も私のイメージにしっくりきたのがたこ糸やロープでした。
完璧主義で作品をきれいにまとめてしまう癖があるので、
ロープは色や素材に癖がなく、どこか無骨で余白があり、
まだ何か作り込む余地があるのではと思わせてくれる所が魅力です」
洗練されたおしゃれな印象の、ふじいさんのタッセル作品。
オススメの、タッセルの楽しみ方を教えていただきました。
タッセルの房部分に、お気に入りの香水やアロマを垂らして
「大きめのタッセルをノベルティでもらったような薄いコットンのバッグや、
これからの季節だとカゴバッグにも着けて楽しんでいます。
あとはタッセルの房部分にお気に入りの香水やアロマを垂らして
部屋中のあちこちにぶら下げると気分が上がりますよ!」
ステキな作品の数々ですが、デザインのヒントは
どのようなところから得ていらっしゃるのでしょうか?
ふとした風景や偶然目にした物事がものづくりのヒントに
「美術館・博物館・展示会やイベントなど特にジャンル問わず
気になるものがあれば足を運ぶのでそこで刺激を受けたり、
ふとした風景や偶然目にした物事がものづくりのヒントになることもあります。
最近だと息子のために何か作ることが多いので、
その過程で出来たものなんかもデザインのきっかけになっている気がします。
あとは素材オタクでホームセンターや生地屋さん、
材料屋さんが1日中いても飽きないくらい大好きなので、
作りたいものがあるとまず足を運びます。
ウロウロしながら色んな材料を見て触って、
頭の中でそれらを組み合わせながらどんなものができるのか考えていると、
早く実物を見たくて作りたくなるんです」
ものづくりが大好きなふじいさんのわくわくする気持ちが伝わるお話しでした。
今週のCRAFTINGマガジンはこれでおしまいです。
来週のインタビュー記事もお楽しみください!
<作家profile> fujiiikuko ふじい いくこ
東京工芸大学芸術学部デザイン学科 卒業後、
スウェーデンにあるカペラゴーデン手工芸学校
テキスタイルコース 修了。
手仕事によって生まれるひとつひとつの個性や
素材本来の形を尊重した作品づくりに定評がある。
分野にとらわれることなく、
「北欧、暮らしの道具店」でのアクセサリー作品販売をはじめ
バッグなどのファッション小物、アート作品など
さまざまな素材や手法に興味を持ち、
実験的に制作、発表を続けている。